自分がスカージのスポイラーリストを眺めていて、目を引いたカードがもみ消し。そのテキストには短く「起動型能力1つか誘発型能力1つを対象とし、それを打ち消す。」としか書いていないのですが、このカードは色んな悪さが出来るカードなんです。
その昔、Interdict / 阻止やBind / 束縛ってカードで「対象の起動型能力を打ち消す。カードを1枚引く。」てーのがありました。その当時でも、サイドボード要員としてたびたびトーナメントで見かけるカードだったのですが、今回はカードこそ引けないものの、起動型能力だけでなく誘発型能力だって打ち消してしまうことが出来るカードとなり、またマナも2マナから1マナに変更されていますから、ひょっとするとトーナメントでよく見かけるカードになる可能性があります。このカードがどんな悪さが出来るかを考えてみましょう。
まずはいちばん簡単ですね。「場に出た時〜」って奴をカウンターする。古くは《ネクラタル/Nekrataal(VI)》、《なだれ乗り/Avalanche
Riders(UL)》、今では《雲を追うエイヴン/Aven Cloudchaser(OD)》とかの能力を打ち消してしまうことが出来るし、《触れられざる者フェイジ/Phage
the Untouchable(LGN)》の「触れられざる者フェイジが場に出たとき、あなたがそれを手札からプレイしたのでない場合、あなたはこのゲームに敗北する」の部分でさえ打ち消しができてしまうのです。さぁ、フェイジの悪さをもみ消そう!?
次。マッドネスって実は誘発型能力を使って処理をしているって知っていましたか?もみ消すは、マッドネス呪文をたった1マナでカウンターできるカードになります。
マッドネスのルールの一部を参照して見ましょう。「いずれかのプレイヤーが自分の手札からこのカードを捨てようとする場合、そのカードは捨てられるが、そのカードを墓地に置く代わりにゲームから取り除いてもよい。このカードがこの方法でゲームから取り除かれたとき、そのプレイヤーが次にパスするまでの間、そのプレイヤーは、インスタントをプレイできるときならいつでも、マナ・コストではなく[コスト]を支払うことで、そのカードが手札にあるかのようにプレイしてもよい。そのプレイヤーが次にパスをしたとき、そのプレイヤーはこれをそのプレイヤーの墓地に置く。」この前半部分の「カードを捨てる時にマッドネスを宣言」、「実際にゲームから取り除いているマッドネス呪文を使用」する間に誘発型能力で処理をしている部分があるのです。
すなわち、マッドネス呪文を捨てる時にマッドネス宣言したカードはゲームから取り除かれますが、すぐには使用できません。まずは「プレイできるぞ」(個人的にはマッドネス使用許可と命名)がスタックに乗り、それが解決されてから初めてゲームから取り除かれているマッドネス呪文が使用できるのです。このマッドネス使用許可をもみ消しでカウンターしてしまったらどうなるでしょう?あわれ、ゲームに取り除かれてしまったままとなります。
このカウンターできるタイミングは、マッドネス呪文を実際にプレイする前ですから、《野生の雑種犬/Wild Mongrel(OD)》から《尊大なワーム/Arrogant
Wurm(TOR)》がマッドネスで飛び出しても、そのマッドネス使用許可をもみ消しで打ち消してしまえば、ワームのマッドネスでのプレイコストを支払っていません。これからの実際のプレイでは、微妙に気をつける必要のある事となるでしょう。
サイクリングは起動型能力です。また、サイクリングをプレイして誘発される能力は誘発型能力です。ですので、あなたが希望するのであればもみ消しで打ち消しできます。ただし、それらはそれぞれ独立した能力ですから、1枚のもみ消しで両方をもみ消すことは出来ません。
《藪跳ねアヌーリッド/Anurid Brushhopper(JUD)》がゲームから取り除く能力は起動型能力ですから、これをもみ消しで打ち消して逃げる事が出来ないようにすることは出来ます。もちろん、2回逃げる能力を使う事が出来れば、1度はもみ消しの能力を回避できますけど。
また、ゲームから取り除かれていたAnurid Brushhopperが場に戻ってくるのは誘発型能力の一種です。実際に戻ってくる時にもみ消しで打ち消してしまえば、ゲームに取り除かれたままになります。
《樹木茂る山麓/Wooded Foothills(ONS)》などの俗に言うフェッチランドの土地をライブラリーから探してくる能力は起動型能力ですから、もみ消しで打ち消す可能です。実際のゲームを想像してみましょう。
先攻プレイヤー、島をプレイしてエンド、後攻プレイヤー、Wooded Foothillsをプレイして、すぐに能力を起動。1ライフを支払い、Wooded
Foothillsを生け贄に捧げたところで、もみ消し。相手はライフは失う、土地を失う、果てまた、このターンは何も出来ない…というなんともひどい状態となります。まるでTime
Walk(このターンの後に、追加の1ターンを得る。)をプレイしたみたいですね。
ですので、これからフェッチランドを使う時は実際にライブラリーに手をかける前に「何かする?」という言葉が必須になるかも。(てーか、して欲しい)
さんざん、出来る事について述べてきましたが出来ない事も補足しておきましょう。
常在型能力はもみ消しで打ち消し出来ません。ですので、墓地が7枚になってスレッショルド状態になるのを止める事は出来ません。
また、呪文の効果ももみ消しできません。《神の怒り/Wrath of God(7E)》の実際にクリーチャーを破壊する効果は、誘発型能力ではありませんからもみ消しでは対処不能です。
プロテクションでダメージを軽減するのも常在型能力。これもダメ。ただし、エイヴンの解放者 / Aven Liberatorのプロテクションを与える能力は誘発型能力ですので、この部分は打ち消しは可能です。
そして、間違えやすいものとして「場に出るに際に」という記述の能力。一見、誘発型能力に見えますが、これは常在型能力です。ですから、《クローン/Clone(ONS)》のコピーを打ち消したり、《万物の声/Voice
of All(PS)》のプロテクションの色の選択を打ち消したりは出来ません。
なにが、もみ消しできるか、わかってきましたか?判ってくれば、このカードの嫌らしさが徐々に見えてくるのではないでしょうか?さぁ、れっつもみもみ。