〜 ジャッジマニュアル 〜
Ver1.00

心構え

 ジャッジとしてトーナメントに参加する場合、まずはジャッジは、他のジャッジやスタッフ、そして参加者と協力して、不正のないトーナメントを円滑に運営をする為に存在している事を憶えておいて下さい。何か迷った時はこの事を思い出してください。
 また、ジャッジとしてトーナメントに参加しているという事は、オフィシャルな立場にいるという事を自覚しておいてください。

ジャッジの服装

  ビシッとおしゃれする必要はありませんが、周りから見て恥ずかしくない服装にしておきましょう。ジャッジは周りから見て不快な格好はご法度ですし、目立つ必要もありません。
なお、プレミアイベントで推奨される服装は以下の通り。

・ ブルージーンズ不可。黒系のズボン推奨。
・ シャツの裾はズボンの中に入れる。
・ サンダル不可。一日中歩き回っても楽なスニーカーを推奨。


打ち合わせ

 トーナメント開始前にヘッドジャッジや主催者(コーディネーター)と打ち合わせをしておきましょう。内容は、その日の大まかな仕事の分担や、問題となりそうな裁定の意思統一です。特に裁定の意思統一は、公平なトーナメント運営には絶対必要です。


デッキリストチェック

 この作業は1回戦終了までに終わらせる事が望ましい作業です。大まかな流れは次の通りです。

  1. 登録しているカードの枚数の確認
     「1枚1枚数える」のも良いですが、慣れてきたら「4枚1セットで15セット確認する」、「4枚の呪文がa種類、3枚の呪文がb種類、2枚の呪文がc種類、その他のカードがd枚。だからカードの枚数は4a+3b+2c+d」などの方法をお勧めします。
     また、メインデッキとサイドボードで同名のカードは4枚までの制限をうっかり越えてしまっている人もたまにいます。サイドボードはよりチェックが必要です。
  2. 登録しているカードの確認
    カード名の不備をチェックします。使用不可能のカードのチェックはもちろん、途中までしかカード名を書いていない人もチェックです。例えば「ヤヴィマヤの」までしか書いていないケースがあるかもしれません。
  3. 名前のチェックとチェック者の名前の記入
    デッキ使用者などの名前はしっかり記入されているかをチェック。たまに名前無しの用紙を見かけます。見つけたらすぐに書いてもらいましょう。

 デッキリストで不備を見つけたら、そのプレイヤーのデッキとデッキリストを速やかに修正すべきです。デッキリストの不備による罰則はRELによっても変化しますが、ゲーム敗北以上の罰則になる事が多いです。
 ゲーム敗北の裁定を出すときは原則的に現在進行しているゲームに対して出します。しかし、そのゲームが罰則を受けるプレイヤーの敗北濃厚という状態であり、今回の裁定によりそのゲームを敗北したとしても、罰則を受けた事にならないとジャッジが判断したのであれば、次のゲームを敗北にする事もできます。よく、ゲームの状況を見て判断しましょう。

組み合わせ表などの掲示

 トーナメントの組み合わせの掲示は速やかに行います。一番多く掲示するものは組み合わせ表でしょう。参加者が見やすいように掲示しましょう。参加人数が多い場合は複数掲示します。
 なお、組み合わせ表はマッチが開始して15分程度経過したら取り外しましょう。取り外すのを忘れていると、参加者が次のマッチの組み合わせだと勘違いする恐れがあります。


デッキチェック

 参加者が実際に使っているデッキに問題がないかをチェックすのがこのデッキチェックです。建前はランダムでチェックする人を決定する事になっています。デッキチェックはテーブル単位で行うのが良いでしょう。なお、デッキチェックをするテーブルはギリギリまで参加者に分からないように心がけましょう。
 さて、デッキの回収はシャッフルが終わって対戦者にデッキを提示した時に回収すべきです。また、必ずしもマッチの開始を待つ必要はありません。
 デッキチェックのポイントですが、いきなりデッキをばらしてカードの枚数をチェックしないでください。デッキをばらす前のポイントとして、スリーブの長さは大丈夫か?著しく損傷しているスリーブはないか?をチェックします。
 次は、カードの順番を崩さずにライブラリーの並びをチェックします。並び方に規則性はありませんか?呪文、呪文、土地などのように規則正しくなっていたらそれは積み込みの可能性が高いです。
ここまで問題が無かったら、デッキリストと実際に使用しているデッキの照合です。良くありがちなミスとしてサイドボードの戻し忘れが挙げられます。特にジャッジメントが導入されているフォーマットでは「願い」関連のカードがそのトラブルを起こしやすいかもしれません。問題がなければデッキを使用者に返却します。
その際、対戦記録用紙(Result Entry Slip)に延長時間を記入します。延長時間はデッキチェックにかかった時間+1分が目安です。
 なお、これらの一連の作業はトーナメント進行に極力影響を与えないように、迅速に行う事が必要です。10分経っても終了しない場合は、そこでその作業を打ち切ってデッキを返却する事をお勧めします。(もちろん、その時点でのチェックで問題がなければですが)
 ところで、リストとデッキが不整合があった場合は、その参加者は1ゲーム敗北となります。この場合、第2ゲームを速やかに開始しますが、この第2ゲームはお互いにまだサイドボードは使用不可であり、先攻後攻を決定する権利は、ゲーム敗北の処置を貰ったプレイヤーが行います。

フロア巡回

 フロアの巡回は公平なトーナメント運営に必要な作業です。ジャッジがフロアを巡回しているだけでも、そのトーナメントで不正行為が起こる確率は格段に下がる事が期待できます。効率的な巡回のために、巡回範囲をジャッジ間で決めておくと良いでしょう。
 プレミアイベントではトーナメントエリアと観戦エリアが区切られている事もあります。この場合は、マッチの終わった方は速やかにトーナメントエリアから離れるように誘導しましょう。人の流れを整理する事で、よりトーナメント運営をスムーズにすることが期待できます。
 マッチの終わったテーブルがあれば、テーブルの上を清掃したり、イスなどを片付け、トーナメントエリアを綺麗にしておく心がけをしましょう。
 マッチの終了時間間近となったら、フロア巡回のジャッジはまだマッチの終わっていないテーブルで延長ターンの処理の用意をします。常にトーナメントがスムーズに進行する為の動きを心がけましょう。


不正行為防止

  初歩的な不正行為は積み込みと、過剰なドローです。
積み込み行為には前もっての準備が必要です。その準備作業を発見したら、その直後のゲームを監視しましょう。ちゃんとシャッフルをしていますか?簡単なシャッフルでごましていませんか?
 過剰なドローを狙っているプレイヤーは、自分の手札の枚数を分かりにくくする為に様々なの癖を持っています。手札をまとめて持っていたり、いつでも手札を慌しく動かしているプレイヤーには珠に「手札は何枚?」と聞くと良いでしょう。また、過剰なドローをするプレイヤーは、ライブラリーをやたら触る癖があるケースが多いです。
 なお、多くの不正行為は、他の参加者やギャラリーからの報告から発覚する事が多いです。情報のアンテナは常に広げておきましょう。


対戦記録用紙(Result Entry Slip)へのサイン

 プレミアイベントではジャッジが対戦記録用紙(Result Entry Slip)に確認のサインを行う事があります。この場合のサインは、独自のサインではなく、スコアキーパー担当の方が読める文字で行う事が大切です。
 実際にサインする場合にはプレイヤーの前でその対戦記録用紙の内容を復唱して、間違いがない事を再確認してサインするとより親切です。


裁定の出し方

 さて、ジャッジとして裁定を出すときの注意です。特に注意してもらいたいのは、ジャッジは常に冷静でいることです。ジャッジが熱くなってしまっては、解決できるものも解決できません。
 まずは、とにかくゲームで起こった問題点を把握しましょう。ゲームで揉めるケースのほとんどは、プレイヤー同士の意思疎通の不備から起こるケースです。両者の意思疎通の不備から起こる問題では、両者からよく事情聴取して事実の確認と問題点の把握をしっかりする事が大切です。ポイントは片方のプレイヤーから事情聴取しているときは、その対戦者から反論されてもその聴取しているプレイヤーに集中する事です。そうしないと、両方のプレイヤーに振り回されてしまうことになり、時間を浪費してしまう事になります。
 両者から事情聴取が済んだら、その証言に「無理」や「嘘」はないか?を考慮して、ゲームが正しく進行するように、ジャッジはゲームを調整したり、必要であるなら罰則(注意や警告)を出しましょう。自分が出した罰則は後でヘッドジャッジなどの上位ジャッジに報告しておきましょう。
 なお、ゲーム敗北以上の重たい裁定を出す場合は、ヘッドジャッジなどの上位ジャッジの指示を仰ぐべきであると、自分は思っています。
さて、裁定の結果、警告以上の裁定となった場合は、対戦記録用紙にその内容を記録します。まず、スコアキーパーが表から見て判るように、対象のプレイヤーの名前に<W>とマークします。そして、裏面に内容と裁定を出したジャッジの名前をサインします。内容は簡単な英語で書くのが良いのですが、スコアキーパーが日本人であれば日本語でも良いでしょう。


遅延行為

  裁定の中でも判断が難しいものとして遅延行為があります。しかし、ジャッジのちょっとした心がけで未然に防ぐ事ができます。それは、「ちょっと、遅いなぁ」と感じたら、「スムーズなトーナメント進行の為にもう少しプレイを速くしましょう」と声をかけるだけです。これだけでも、多くの遅延行為は防ぐ事ができます。
 また、よく時間無制限のマッチとか延長ターンなどで、いきなりプレイが遅くなるプレイヤーを見かけますが、そのような制限時間が決められていない場合でも、プレイヤーにはテンポ良いプレイをする事が求められます。気後れすることなく、注意しましょう。
 それでも、プレイヤーの態度が変わらない場合は、状況を判断しつつ、警告などの罰則へ格上げとなります。しかし、まずはプレイヤーに注意を促す事が大切です。いきなり、警告などの重たい罰則は逆にトラブルの元です。


トーナメントが終わったら

 トーナメントが終わったら、自分が体験したリ思った事などを中心に、他のジャッジやスタッフと意見交換しましょう。ここでの意見交換はその後のあなたのジャッジとしてのスキル向上に役立つ事でしょう。


2002/08/09 作成
国光 優之

→この文章をDOCファイルにしたもの(Word97以降)
A4用紙2枚でまとめています。配布用などにどうぞ。

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